2015年9月15日火曜日

「イップス」 〜心理的ダメージでできないプレーではないか??〜

「イップス」という言葉をご存知でしょうか?
私もごく最近になってSNSで目にするようになったり、TVでゴルファーの丸山茂樹プロが自身のイップス体験を話されていたりで知りました。

「イップス」Wikipediaより・・・
  1. イップス(Yips)は、精神的な原因などによりスポーツの動作に支障をきたし、自分の思い通りのプレーができなくなる運動障害のことである。 本来はパットなどへの悪影響を表すゴルフ用語であるが、現在では他のスポーツでも使われるようになっている。
  2. イップス - Wikipedia
詳しく知りたい方はネット検索してくださ〜い!

今回書くのは、私も全く詳しく調べた訳ではないので、正確な「イップス」状態かとかアプローチの仕方とかではなく・・・
「イップス」ということに触れてみて・・・
バレーボールのいろいろな場面で心理的なものが原因でプレーに支障をきたしている選手が結構いるのでは?
ひょっとしたら本当に「イップス」なのかもしれないし、全くの「気の持ちよう」なのかも知れませんが・・・
そういった状況にある選手に対しての一考として・・・
今回「イップス」をキーワードに思い浮かんだことを書いていこうと思います。

たとえば・・・
練習ではできているのに・・・試合になると・・・
・サーブを思いきって打てない・・・
・特に試合後半、ブロックを避けるように繋いでしまうアタック・・・
・2段トスが上がらなくなる・・・
・レセプションやトスがある時期からおかしい・・・

このような姿はよくあると思います。
特定の緊張場面で、その時だけできないのであれば切り替えて繰り返しの練習の中で技術的向上と自信をつかんでゲームでも勝つことに向かっていけるかと思うのですが・・・(いきつもどりつでしょうが・・・)

選手の試合経験の中で、特に勝敗に関わる大切な場面でミスをしてしまったりシャットアウトをくらったりしたことが・・・
心の何処かに大きな「ダメージ」として残ってしまっていたとするなら・・・・
(原因が自身のものだけでなく、それによって周りから怒られる・言われるも因子かと)

同じようなシュチュエーションで意識・無意識に関わらず・・・
フラッシュバックするかのように・・・
「できない」ことが起こる・・・

これは容易に想像できるのではないでしょうか?


単に「自分の思い込み」・・・たとえば「ドキドキしてしまう」「これは苦手」等・・・
であれば・・・
「がんばれ!!」でいいかと・・・。

しかし、「分かっている・気持ちもしっかり向かっているけどどうしても身体が上手く動かなくなってできない」ような状態であれば・・・

同じように見える「大事な場面でのミス」や「気の弱いプレー」もアプローチを考えてあげることが必要なのかもしれないと・・・
この「イップス」ということを見聞きする中で思う訳です。


ネット上で「イップス」を<うつ病>にたとえている文がありました。
<うつ病>
分かっているけどできなくなる・・・思考がどんどんネガティヴになる・・・等々・・・

「イップス」か?「単なる気弱」か?の解釈は、非常に繊細で微妙なところで・・・
うつ病の一般的なとらえを例にして・・・
・「そうなんだ」と理解してアプローチを考える人・・・
・「そうかとは思うけどどうなの?」と半信半疑になる人・・・
・「いやいや怠け病や」と思っている人・・・
同じ「困った状態にある人」をみても受け止めは様々ですよね。
ですからこの「イップスかも?」についても一様な線引きはできない、逆に線引きは危険かと思います。

ただ・・・
選手たちの「できないでいる状態」がひょっとしたら・・・いくら練習を重ねても・・・
「改善されにくい心理的ダメージが原因」だとしたら???

こういう視点を周りの人間、監督・コーチ・スタッフ、また保護者の人たちが持つことによってクリアできる可能性が大きくなると思います。

ともすれば
試合になったら「ダメ」「下手」・・・「使えない選手」のレッテルを貼ってしまうことになりかねない・・・
私は絶対に「レッテル貼り」はしてはいけないとおもっていますので、回避策としても一考できればと思っています。

逆に気を使うあまりに・・・
選手が「ネガティヴスピーカー」(ネガティヴなことを受け止めてもらいそこで安定をはかる)になってしまっては、当然ながら先に進めなくなりますね。(ほんと繊細・・・)


数回前に「意識・集中」に関する記事の中で「選手に預けてしまわずに・・・」といったことを書きましたが・・・
今回も同様で・・・これまではとにかく「頑張れ」「乗り越えろ」「何やってる!」等々選手が全てを引き受けるような持って行き方でしたが・・・
指導する側や見守る人の側が「支え」「後押し」できるような方向も持ち、選手たちがよりスムーズにバレーボールに取り組んでいけるような環境も考えてみてはいかがでしょうか?

最後は選手・こどもたちが「越えていく」のは事実で、そこにはとても「勇気」がいることで・・・本人しかできないことで・・・その「勇気の後押し」を考えつつ支えが良いかと思ったりしています。

バレーボールはチームスポーツであり・・・
「カバーし合う」ことがとても大切な他にないスポーツです。
チームのみんなも理解と支え、後押しできるようになればさらにステキですね。

アプローチとして思いついたことを1例として・・・
・まずは「目標」に帰る・・・向かう方向は持ち続ける!
・リラックスできる方法を知りコート上でできるようにしておく。
・そのプレーは何が大切か?を整理する・・・
      例えばサーブ・・攻めること・・ミスはダメの世界ではクリアできない。
             ・強弱やコース打など選択できる理解と技術の習得。
・気持ちをストレートに伝えられる・・・大人からの一方通行にならないように。
・また何度も同じ場面で同じことが起きるかもしれないが・・
             ・結果を「勇気が持てる方向」で返す。
             ・チャレンジできたことを評価      などなど


バレーボールも他のスポーツ同様に全体的とらえとして・・「心・技・体」のどれもが重要です。

「イップス」に関わらず「心理的側面」にも目を向け・・・
選手・こどもたちが・・・

「闘う」「勇気ある」「勝ちにいく」ことができる気持ちを育てていきたいものですね。

長々と綴ってしまいました・・・・。


最後まで読んで下さりありがとうございました。









2015年9月14日月曜日

練習をゲームにつながるように「味付け」していく・・・

うろちょろしている私ですが(笑)
今年度の登録は、北海道の道都大学のコーチです。

ということで、北海道大学リーグは10月に入ってから始まります。
今そこに向けて練習に取り組んでいるところ・・・

その日々の中で・・・
これまでは選手たちのテクニカル的な指摘を投げかけられるような見方を中心に見てきましたが・・・
練習内容に「プラスしたら」「その動きの速さを変えたら」などなど・・・

練習そのものを変えてしまおうという発想ではなく・・・
日々やってきた選手たちの感覚も含めて・・・
ミックス・アレンジを考えてみた・・・

というのを紹介してみます。


その1、「サーブ」&「レセプション」
中心的内容は・・・「戦術的サーブへの個々人の多様なサーブ」
レセプション側は・・・言わばレセプション?!

その中で・・・セッターの選手・・・2セッターなんです。・・・ということは・・・
自分がレセプションをするということは・・・必ず次に攻撃参加をする!
であれば・・・
レセプションに終わらず「アタック動作まで」を自分の練習に取り入れてはどうか?
これは、すんなり理解してくれたようで・・・その後取り組んでいます。
やってきたことに「プラス」で、同じ時間が「ゲームに繋がる練習」に・・・。

その2、「アタック・コンビ」
いわゆる「コンビ練習」で、ネット際(ブロック)から開いて打つということをやっていました。
でも・・・
ブロックを跳ぶ動作をする訳でもなく・・・チョロチョロ(笑)と下がって打つ・・・
課題意識があるからこそ、その動作を取り込んでやっているのですが・・・
さて、ゲームにつながるでしょうか?そうは思えません・・・もったいない!!

ここに関しては、指摘は置いておきました。なぜ??
「コンビ練習」全体がいわば「合わせる」という意識と雰囲気にあること。
「跳んで素早く大胆に下って」をそこで言ってしまうと「やらせる」ことになりそうだったので・・・。(監督と話をしてからかなって)

指摘した・しなかったについては、各選手の意識と私との距離感もあるかもしれません。

つい先日にちょこっと思ったことを例にしてみましたが・・・
例えばレセプションの練習なら・・・
フォーム・感覚を日々確かめるような・・・これまでと同じくがあって・・・
で!
区切って全く別設定にするのではなく・・・
「プラスして」・・・レセプション〜アタックとか・・・
         ・ミドルの選手の難しい方向からのクイックへの動作とか・・・
         ・セッターの左右後方からのセットアップとか・・・
ちょっと付け足せば・・・日頃課題になっているところもプラスしてゲームに近づく!!

さらにブロックをつけるとか・・・じゃあ、レシーブまでつけるか!!・・などなど・・

中心とする課題は「サーブ&レセプション」であっても・・・
その他ゲームに必要な要素を「加味」して「ゲームをイメージできた」練習になっていくように考えることは大切ではないかと思っています。
※「加味」ですので、ポイントは伝えても全てがっつり課題にするとイチイチ指摘が入って練習が止まったりする恐れもあるかと・・・加味してぎこちなくなってしまうのは注意ですね。

そのバリエーションは「これっ!!」と決まったものはなく、目の前の選手たちの人数や課題を見ながら「ゲームに繋がるプラスα」視点で構成していけばと。
人数というところでは・・・多くの見ている選手(長い待ち時間)を少なくするというところもあります。

要は・・・
限られた練習時間をゲームで活きるものに繋げるためにより有効な中味を考えて行きましょう!!
という提案でした。

また試してみて下さい。

最後まで読んで下さりありがとうございました。